近年日本でも、名前を聞くようになった「フレキシタリアン」。
フレキシタリアンとは、英語のflexible(柔軟)と、vegetarian(菜食主義)を掛け合わせた造語で、柔軟な菜食主義という意味です。
フレキシタリアンは多数のメリットを持ちながら、実践ハードルが低いです。
そのため、フレキシタリアン(柔軟な菜食主義)は現在、世界中で注目を集めている食事法となっています。
そこで、今回は、フレキシタリアンの概要や取り組むメリットについて解説していきたいと思います。
- フレキシタリアンはどういった食事をするの?
- 他の菜食主義と何が違うの?
- 実践するメリット・デメリットは?
- フレキシタリアンの始め方とは?
このような、フレキシタリアンの疑問について分かりやすく解説していきます。
Contents
フレキシタリアンとは
フレキシタリアンの定義
フレキシタリアンは菜食主義に当てはまります。
一般的に、ベジタリアンなどの菜食主義者は植物性食品しか食べられません。
しかし、フレキシタリアンは肉や魚などの動物性食品も時には食べるといった柔軟性のある菜食主義です。
そして、動物性食品を食べてよいとする頻度も決まっていないことから、自由度がとても高く、ゆるいです。
そのため、「ベジタリアンやヴィーガンなどの食事法には興味があるけど肉や魚は食べたい」という人でも、簡単に始めることができます。
このような、柔軟な菜食主義のスタイルがウケて、欧米諸国をはじめ日本でも浸透してきています。
フレキシタリアンと他の菜食主義の違い
菜食主義はひとくくりにされがちですが、その種類は多岐にわたります。
柔軟な菜食主義であるフレキシタリアンと、他の菜食主義にはどのような違いがあるのでしょうか。
以下の主な3つの菜食主義と比較してみましょう。
- ベジタリアン
- ヴィーガン
- ぺスカタリアン
ひとつひとつ見ていきます。
【ベジタリアン】
ベジタリアンは日本でもっとも認知されている菜食主義ではないでしょうか。
ベジタリアンとは肉や魚などの動物性食品を食べず、穀物や豆類、野菜などの植物性食品を食べる人のことです。
フレキシタリアンも基本的にはベジタリアンのような食生活を心がけています。
しかし、フレキシタリアンは肉や魚などの動物性食品を食べて良いため、ベジタリアンと比べフレキシタリアンの方が自由度が高く、取り組みやすいです。
【ヴィーガン】
ヴィーガンとは、完全菜食主義です。
そのため、もっとも自由度の低い菜食主義になります。
肉や魚はもちろん食べず、それに加えて卵や乳製品、ハチミツなどの動物性食品もいっさい食べません。
そのため、牛乳の代わりに豆乳を飲んだり、ヨーグルトは豆から作られたヨーグルトを食べたりするような食生活を送っています。
さらに言えば、お部屋や持ち物、衣類など全ての身の回りのものに関しても動物製品を使わないというのがヴィーガンの生活です。
このように、フレキシタリアンとは変わって、動物性食品をいっさい摂らず、菜食主義を究極に追求した生き方がヴィーガンです。
【ペスカタリアン】
ペスカタリアンとは、菜食に加えて魚介類を食べる主義です。
フレキシタリアンとは変わり、肉や肉ベースのスープ・出汁は食べられません。
しかし、魚介類をはじめ卵やミルク、チーズやハチミツなどは食べられることから、先ほどのベジタリアンやヴィーガンと比べ、自由度が高い菜食主義です。
ではもう1度、フレキシタリアンとこれら3つの菜食主義の違いを、下の表で確認してみましょう。
カテゴリー | 肉 | 魚 | 卵 | 乳 製 品 | 蜂 蜜 |
フレキシタリアン | △ | △ | ○ | ○ | ○ |
ペスカタリアン | × | ○ | ○ | ○ | ○ |
ベジタリアン | × | × | ○ | ○ | ○ |
ヴィーガン | × | × | × | × | × |
以上3つの菜食主義を見てみましたが、フレキシタリアンは他の菜食主義に比べ、自由度がとても高いことが分かります。
そのため、菜食主義には興味があるがなかなか始められない人にとっては、始めやすい食事法ではないでしょうか。
フレキシタリアンの人口トレンド
フレキシタリアンは他の菜食主義に比べて実践しやすいです。
そのため、アメリカやイギリスなどの欧米諸国を中心に、フレキシタリアンのような菜食主義の動きは加速しています。
肉食大国で有名なアメリカでは、4人に1人がフレキシタリアンと考えられています。(参考)
そして、イギリスでは3人に1人以上がフレキシタリアンだという報告もされています。(参考)
また、世界のフレキシタリアン人口の割合は14%であり、菜食主義の中では一番高い割合であると農林水産省の調査から分かっています。(参考)
そして、日本においてもフレキシタリアンへの関心は高まりつつあり、実践している方も増えています。
このことから、近年、海外にとどまらず日本国内においても、フレキシタリアンへの関心が高まっていることが示唆されます。
フレキシタリアンのメリット
近年大注目のフレキシタリアンですが、フレキシタリアンの食生活を実践するメリットについて見ていきます。
フレキシタリアンのメリットとしては、主に以下の4つが挙げられます。
- 健康改善メリット
- 環境問題解決メリット
- 動物愛護メリット
- 人間関係メリット
フレキシタリアンをはじめ、他の菜食主義にも当てはまる内容です。
それぞれのメリットについて詳しく見ていきましょう。
2.1 フレキシタリアンの健康メリット
まず、フレキシタリアンには、健康面において3つのメリットがあります。
- 脂肪が減る
- ダイエット効果にも期待
- 血圧が下がる
ひとつずつ解説していきます。
①体脂肪が減る
まず、体脂肪が減るというメリットがあります。
フレキシタリアンになることで、肉や魚を食べる機会が減ります。
肉や魚には脂肪が含まれていますが、フレキシタリアンになることでその摂取を控えることができます。
その結果、必然と余分な脂肪を摂らないようになり、体脂肪が減ります。
フレキシタリアンになることで、無駄な脂肪のない食生活を送れます。
②ダイエット効果にも期待
前述のとおり、フレキシタリアンの食生活を実践することで体脂肪が減ります。
そのため、ダイエット効果にも期待ができます。
お肉などの動物性食品をなるべく植物性食品に置き換えることで、理想の体型を手にすることができるかもしれません。
なお、フレキシタリアンダイエットの具体的な取り組み方については「必見!【フレキシタリアンダイエット】の正しい取り組み方を徹底解説!あなたの理想を叶えましょう!」に書きました。
③血圧が下がる
また、フレキシタリアンを含め菜食主義は、食物繊維や抗酸化物質をバランスよく摂取できます。
そのため、フレキシタリアンは血圧が上がりにくいとされていて、心臓病のリスクにも心配いらないです。
この他にも、「肌荒れがしにくい」「糖尿病になりにくい」など、フレキシタリアンには様々な健康メリットがあります。
健康面に関してだけでも、菜食主義に取り組んでみる価値は十分にありそうです。
これらの健康メリットは、動物性の食品をどれだけ減らすかで変わってきます。
また、以降に説明する環境や動物福祉におけるメリットに関しても同様です。
そのため、フレキシタリアンの食生活においてメリットを受けるためには、自己管理が重要となります。
そして、植物性食品の比重を高めることで、このようなメリットをより受けとることができます。
2.2 フレキシタリアンの環境メリット
次に、フレキシタリアンの環境メリットについてみていきます。
フレキシタリアンが環境に与えるメリットは主に2つあります。
- 地球温暖化の抑制
- 水質汚染や土壌汚染の改善
ひとつひとつ見ていきます。
①地球温暖化の抑制
環境問題といえば、一番の懸念は地球温暖化ですよね。
そこで、フレキシタリアンになることで地球温暖化の抑制につながることを理解してほしいです。
実は、地球温暖化の最大の原因として畜産が指摘されています。
自動車の排気ガスなども問題のひとつですが、温室効果ガスの1/4は食べ物から出ていると考えられています。
そして、その中でもお肉、つまり畜産業が環境に与える負担が非常に大きいのです。
「ウシのゲップが地球温暖化を進めている」や、「畜産業が森林伐採に影響している」など諸説ありますが、いずれにしろ、お肉などの動物性食品は食物性に比べて温室効果ガスの排出量が多いです。
フレキシタリアンになってお肉を食べる機会を減らすことは、地球温暖化の解決にもつながります。
②水質汚染や土壌汚染の改善
近年では、水質汚染や土壌汚染の原因として畜産業が大きく関わっているとされています。
畜産動物は病気になりやすいため、大量の薬品を使って育てられています。
そのため、抗生剤やホルモン剤をたくさん与えられた動物の糞尿というのが、土壌を汚染してしまっているのです。
また、土壌が汚染されることで水質も汚染されます。
土壌や水質が汚染されては、作物が育たず十分な生活を送ることができなくなります。
そこで、フレキシタリアンなどの菜食主義の食生活を送ることで、水質汚染や土壌汚染の改善にも貢献できます。
2.3 フレキシタリアンの動物福祉メリット
フレキシタリアンには動物福祉におけるメリットもあると考えられています。
「人間が生きるために、動物を殺して食べるのは当たり前のことで良いんじゃないの?」こう考える方もいるでしょう。
しかし、国連のデータを見ると、年間に770億もの家畜が人間の食料として殺されていることが分かります。
また、卵や牛乳を生産するにあたっても、ウシや鶏が改良されるなど、多くの動物が犠牲になっている現状があります。
さらに言えば、畜産動物を守るために、畜産動物を襲うような野生の動物を殺すことも多いです。
畜産動物を守るためには、希少な野生動物がなぜか殺されてもいいとなっているのが現状としてあるのです。
この結果、生物の多様性が失われていき、生態系のバランスがくずれてしまいます。
多くの動物や生き物が犠牲となる今、菜食主義の食生活は動物福祉におけるメリッが大きいと言えます。
2.4 フレキシタリアンの人間関係メリット
フレキシタリアンには人間関係におけるメリットが大きいです。
その理由は、他の菜食主義とはちがい肉や魚を食べられることにあります。
例えば、友達のパーティーやレストランに行った際に肉や魚を食べることを断っていたら、罪悪感が生まれると思います。また、相手側も良い気持ちになるとは考えにくいですよね。
さらに、毎回毎回お肉があるからと断っていると、お友達も店に気を遣うなど、ストレスがかかってしまいます。
しかし、そういった時に、断らず柔軟に食べられるのがフレキシタリアンのメリットなのです。
そして、菜食主義でありながらストレスフリーで、人間関係もフレキシブルに生活を送れます。
このように、フレキシタリアンには他の菜食主義ではなかなか実現できないメリットもあります。
以上4つのフレキシタリアン実践のメリットについて見てきました。
健康や環境、動物、人間関係におけるメリットがあり
、ストレスを抱えることなく柔軟に菜食主義の食生活を送れることに、世界中の方が注目しているのでしょう。
フレキシタリアンのデメリット
今まではフレキシタリアンのメリット部分について見てきました。
菜食主義の中でも実践しやすく、さまざまなメリットがあるフレキシタリアン。
しかし、フレキシタリアンにもデメリットはあります。
デメリットとしては主に以下の2つです。
- 栄養バランスが崩れる危険性
- メリットが得られない可能性
それでは、ひとつひとつ見ていきます。
栄養バランスが崩れる危険性
菜食主義は栄養バランスが崩れやすいです。
フレキシタリアンに関しても、 肉や魚をあまり食べない分、通常の食事をしている方と比べるとタンパク質の摂取量は少なくなります。
肉や魚の代わりとして、豆類で植物性タンパク質を摂る頻度が高くなりますが、それだけでは限界があるのも確かです。
また、料理のレパートリーを増やすことも難しく、上手にタンパク質を摂れないです。
その結果、貧血や高血圧など、身体に不調が現れる危険性をもっています。
このように、フレキシタリアンは、栄養バランスを崩す危険性があります。
このデメリットを回避するためにも、正しい栄養バランスで、そして自分に合った方法でフレキシタリアンの食生活に取り組む必要があります。
なお、菜食主義者におけるタンパク質の正しい摂取方法については、「菜食主義者がタンパク質不足にならないためには!?健康・美容のためにタンパク質を正しく摂る方法を徹底解説!」にまとめています。
また、フレキシタリアンにおすすめの植物性タンパク質を多く含む食材に関しては こちら で紹介しています。
メリットが得られない可能性
フレキシタリアンは、柔軟なベジタリアンであるゆえに、正しい取り組み方が確立されていません。
そのため、フレキシタリアンになったからといって、健康面や環境面においてのメリットを得られるとは限りません。
フレキシタリアンのメリットや効果を十分に得るためには、植物性食品の割合を増やしていくことが欠かせません。
なお、フレキシタリアンのメリットを効果的に得るために「【フレキシタリアンダイエットで痩せられない方は必見!】4つの原因と正しい取り組み方をチェック」の記事を参考にしてみてください。
このように、フレキシタリアンにおいてもデメリットは存在します。
フレキシタリアンを実践する前に、よく心にとめておくと良いです。
そして、フレキシタリアンのメリット・デメリットは、取り組み方次第では結果が大きく変わるということも理解しておきましょう。
フレキシタリアン生活の始め方
フレキシタリアン生活を始める際に重要なのは、無理をしないことです。
なぜなら、フレキシタリアンは食べて良いもの・悪いものの線引きがされていませんが、基本は菜食だからです。
そのため、無理をしていきなり菜食主義を極めようとすると、バランスよく栄養が摂れず、体調を崩してしまいます。
また、無理をした結果、体調を崩してしまうと、「菜食主義は合わなかったー」と思い、肉食に戻ってしまうという方が多いです。
せっかくフレキシタリアンに挑戦したのに、肉食に戻ってしまうのはもったいないですよね。
だからこそ、まずは週に1日だけでも肉や魚などの動物性食品を控えて、その代わりに野菜を多く摂るようにするといいでしょう。
普段の食事において肉や魚だったものを野菜や豆類に置き換えるイメージです。
そして、フレキシタリアンの食生活に慣れてきたら、肉や魚の摂取量を少しずつ減らしていけばよいのです。
このように、フレキシタリアンになるからといって、最初から野菜中心にするよりも、「たまに肉を食べる生活をする」意識で行いましょう。
最初からゆるっとフレキシタリアンになる方が、継続的に取り組めます。
そして、少しずつ動物性食品よりも植物性の割合を高くしていきましょう。
その先にベジタリアンやヴィーガンがあり、自分の目的に合わせて、挑戦してみるのも良いと思います。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
今回は、今注目のフレキシタリアンについて解説してきました。
菜食主義を始めるのはハードルが高く感じますが、フレキシタリアンはゆったり始められる特徴があります。
そして、健康や環境、動物愛護などあらゆる面においてメリットを持っていることから、世界的に見ても、フレキシタリアンのような菜食主義の動きは加速しています。
食の多様化や健康志向の高まりで、フレキシタリアンや植物由来の食品は今後もますます広がりを見せそうです。
これを機に、皆さんもフレキシタリアンの食生活に取り組んでみてはいかがでしょう。